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2026-08-30

日本市場の中国ゲーム収益TOP5と影響力TOP5——首位ラストウォーは日本だけで年間推定3.5億ドル

日本のスマホゲーム市場で、中国発タイトルの存在感が年々大きくなっています。Sensor Towerの推計では、2026年上半期の日本における収益成長ランキングトップ10のうち7本を中国系パブリッシャーのタイトルが占めました。今回は公開されている推計と各種報道をもとに、「収益」と「影響力」のそれぞれでTOP5を選びました。収益TOP5の順位は、直近の年間収益(2025年の日本市場推定収益)を基準に統一し、累計額は参考として併記します。なお収益額はすべて米ドル建てで記載し(円建ての出典値は1ドル=150円で換算)、Sensor Towerなどの公表値・報道値をそのまま用いるとともに、公式の金額が無いタイトルについては、公開されている推計データをもとにした推定の概算額を併記しています。また各タイトルには年別の推定収益を記載しました。年別の数値は、公表されている累計額や期間別推計から按分した概算であり(出典を明記したものを除く)、実際の金額とは異なる可能性があります。

■収益TOP5

【1位】ラストウォー:サバイバル(First Fun)——2025年の日本推定収益は約3.5億ドル 2025年下半期に続き、2026年上半期も日本のモバイルゲーム収益ランキングで首位(Sensor Tower推計)。国内常連のモンスターストライクやeFootballを上回りました。世界累計売上は20億ドルを超えたと報じられており、最大級の市場である日本だけでも年間数億ドル規模——推定で3億〜4億ドル前後——を売り上げているとみられます。日本市場の年別推定収益は、2023年(配信開始以降)が約3000万ドル、2024年が約2億ドル、2025年が約3.5億ドル、2026年は上半期だけで約2億ドル(いずれも推定)です。

【2位】ホワイトアウト・サバイバル(Century Games)——2025年の日本推定収益は約1.8億ドル 氷雪世界を舞台にしたサバイバルシミュレーション。2026年上半期の日本収益ランキングで4位(Sensor Tower推計)。世界累計収益は2024年に20億ドルを突破したと報じられており、主要市場である日本では年間1.2億〜2億ドル規模(推定)を売り上げているとみられます。日本市場の年別推定収益は、2023年(配信開始以降)が約4000万ドル、2024年が約1.2億ドル、2025年が約1.8億ドル、2026年上半期が約1億ドル(いずれも推定)です。国内タイトルを含めても最上位グループに入っています。

【3位】原神(HoYoverse)——2025年の日本推定収益は約6000万ドル(累計は推定13億ドルで最大) モバイル版の日本累計収益は、配信から2年4カ月の時点で10億ドルを突破(Sensor Tower推計)。配信2年時点では世界売上の23.2%を日本が占めたと報じられました。その後の推移を踏まえると、現在の日本累計は推定で13億ドル規模に達しているとみられ、累計額が公表されている中国系タイトルとしては最大級です。年別の日本推定収益は、2020年(配信開始の9月以降)が約2億ドル、2021年が約4.5億ドル、2022年が約3.3億ドル、2023年が約1.5億ドル、2024年が約9000万ドル、2025年が約6000万ドル、2026年上半期が約2500万ドル(いずれも推定)で、「2年4カ月で累計10億ドル突破」という公表推計とも整合します。直近の年間収益は縮小しているため順位は3位としましたが、累計規模では今回のTOP5で最大です。

【4位】三國志 真戦(Qookka Games)——2025年の日本推定収益は約4500万ドル(累計推定2.7億ドル) 2023年の日本売上は約5700万ドル(86億円、W3G集計)規模。2026年4月時点でもGoogle Playのセールスランキング平均2位につけており、配信からの日本累計は推定で2.7億ドル規模とみられます。年別の日本推定収益は、2021年(配信開始の5月以降)が約4500万ドル、2022年が約5500万ドル、2023年が約5700万ドル(前掲W3G集計)、2024年が約5000万ドル、2025年が約4500万ドル、2026年上半期が約2000万ドル(W3G集計分を除き推定)です。長期運営型として堅実に稼ぎ続けています。

【5位】荒野行動(NetEase)——2025年の日本推定収益は約2000万ドル(累計推定6.7億ドル超) 2017年に登場したバトルロイヤル。配信約2年で世界売上は5億ドルを突破し、その8割超を日本が占めたとされます(Sensor Tower推計)。若年層を中心に長期にわたり安定した収益を上げ続けており、日本累計は推定で6.7億ドルを超える規模に達しているとみられます。年別の日本推定収益は、2017年(配信開始の11月以降)が約1000万ドル、2018年が約1.8億ドル、2019年が約2.4億ドル、2020年が約8000万ドル、2021年が約6000万ドル、2022年が約4000万ドル、2023年が約3000万ドル、2024年が約2500万ドル、2025年が約2000万ドル、2026年上半期が約800万ドル(いずれも推定)です。累計では原神に次ぐ規模ですが、直近の年間収益を基準としたため5位としています。

■影響力TOP5

【1位】原神(HoYoverse) 日本の声優や音楽を積極的に起用し、国内企業とのコラボレーションも重ねてきた結果、収益の数字以上に「中国のゲーム」の見られ方そのものを変えた作品です。影響力では文句なしの首位です。

【2位】荒野行動(NetEase) 中国発タイトルが日本でトップクラスの収益を上げられることを最初に証明した先駆けです。現在のラストウォーやホワイトアウトの成功は、この作品が切り開いた土台の上にあります。

【3位】ラストウォー:サバイバル(First Fun) テレビCMの大量投入と、隙間時間に遊べる設計で、従来のゲーマー層の外側にまで届いているタイトルです。中国系ゲームの広告露出を一段引き上げた存在といえます。

【4位】ホワイトアウト・サバイバル(Century Games) 動画広告で目にした人も多いはずで、ラストウォーと並び、広告経由でゲーマー層の外側から利用者を集める中国系シミュレーションの勝ち筋を確立しました。

【5位】三國志 真戦(Qookka Games) コーエーテクモから正式ライセンスを受けた三国志シミュレーション。派手な話題こそ少ないものの、歴史・戦略好きの層に深く根を下ろし、日中の正式ライセンス協業の成功例となっています。

■日本のゲーム産業全体に占める中国ゲームの割合

最後に、個別タイトルを離れて、日本のゲーム産業全体の中で中国系タイトルがどの程度の割合を占めるのかを整理します。ファミ通ゲーム白書の推計では、日本の国内ゲーム市場は年間約2兆円(約133億ドル)規模で、このうちスマホゲームなどのオンラインプラットフォーム分野が約1.3兆円(約87億ドル)と、およそ3分の2を占めます。一方、中国音数協ゲーム工委(CGIGC)の年次報告によると、中国企業が自社開発したゲームの海外売上は2023年に約164億ドルで、国・地域別では日本は米国に次ぐ第2の市場(海外売上全体の2割弱)とされています。ここから日本市場分を概算すると年間25億〜30億ドル規模となり、日本のスマホゲーム市場に対する中国系タイトルの割合は推定で3割前後、家庭用ゲームを含む国内ゲーム市場全体に対しては推定で2割前後に相当します(いずれも推計の取り方によって幅があります)。数年前には1割強とみられていたことを踏まえると、シェアはこの間に大きく拡大した計算です。しかも、冒頭で触れたとおり2026年上半期の日本の収益成長トップ10のうち7本が中国系であり(Sensor Tower推計)、「伸びている領域」に限れば中国勢の存在感はシェアの数字以上に大きくなっています。他方で、家庭用ゲーム機やパッケージソフトを含む分野では任天堂やソニーなど国内勢が依然として圧倒的であり、中国勢の影響力が現時点ではスマホゲーム分野に集中している点も押さえておく必要があります。

#中国ゲーム #スマホゲーム